「生きているうちにお墓(樹木葬・観音葬・墓所)を決めるのは縁起が悪いのではないですか?」
という質問がまれにあります。
実はこれは
「寿陵(じゅりょう)」
といい、そこへ入る人がまだ生きているうちに建てておくお墓のことで、むしろ縁起が良く「長寿」「長命」、命を永らえるといわれているのです。
「陵」はお墓という意味です。
そこにおめでたい「寿」がつけられるため、文字通りに読めば「おめでたいお墓」という意味になります。
ちなみに、生前に建てるお墓は、一般的に「生前墓」とも呼ばれます。
人が亡くなると、その家族は
「お墓をどこに建てよう」
「お墓のための費用をどう捻出しよう」
と悩みがちです。
その点、自分が入るお墓を建てておけば(決めておけば)、自分亡き後、家族はそのお墓に遺骨を入れればいいだけとなり、残された人の精神的負担や金銭的負担が軽くなります。
「おめでたいお墓」ではありますが、寿陵を建てるときには、かえって子どもの負担が大きくならないか確認する必要もあります。
承継者の必要なお墓を建ててしまうと、子どもたちがそのお墓を継ぎたくないときに、かえって負担が大きくなってしまうからです。
お墓を建てると、毎年お墓の年間管理料、管理、清掃等が発生します。
また、お墓を撤去するときにも、数十万円がかかってしまうおそれもあります。
寿陵を建てるときには、次世代に必ず
「お墓を建てたら、それを継ぎたいかどうか」
を確認したほうが良いでしょう。
「次世代が継ぎたくない」
と答えたら、承継者の必要がない永代供養墓などを検討する必要もあります。
機会があるときに、ご家族で話し合われるのも良いかもしれませんね。